しっかり知っておこう筋線維の種類!
これまでハウツー系の記事を投稿してきました。
しかし、真に大切なのは「基礎」だと思うようになりまして。
自分の仕事も基本的な部分をおろそかにしてしまっている点があったので、その反省点をこのブログでも改善していこうと思います。
運動するからには、筋肉のことはもちろん知らなければいけないことです。
そして、単に筋肉と言っても実は種類があるんです!
その種類について今回は紹介しようと思います!
目次
筋線維
筋肉というのは一つのものではなく、その中に多くの線維と、それが束になったもので構成されています。
絵を書くのは面倒だったので、丁度いい画像ないかなと思っていたら、もってこいの画像がありました!
こちらです↓
「ふざけてんの?」って思うかもしれませんが、これが本当にわかりやすい画像なんです。
ちなみにこの画像、「口の中にどれだけストローを入れられるか」というギネス記録保持者の写真らしいです(笑)
この画像を見ながら筋線維についての解剖から解説します。
解剖
人が歩いたり、スポーツをするときなどの運動は、骨格に接続した筋が働くことで運動が成り立ちます。
この筋肉を「骨格筋」といいます。
この骨格筋、人間の中に400個以上あります。
そして、これから筋線維について紹介します。
先ほどの画像を思い出すか、しっかり見返しながら読んでいってくださいね!
まず、ストロー1本1本を筋線維としましょう。
筋線維というのは、細長い円筒形をしています。
そしてストローの外周を筋線維鞘といいます。
筋線維1本1本に筋線維鞘という膜が覆われています。
そして、この筋線維は約150本ずつの束になっています。
この束のことを筋束といいます。
上の写真だと、ストローが束で5つにわかれていますね。
この5つの束が筋束です。
さらに、この筋束を覆っている膜が存在します。
写真では膜はありませんが、筋束を覆っている膜を筋周膜といいます。
最後です。
筋肉にはこの筋束がいくつも存在し、筋束全体を覆っているのが筋外膜です。
上の写真でいうと、ストローを咥えている人の口の部分が筋外膜にあたりますね。
写真ではストロー全部を覆えていませんが、実際の筋肉では筋外膜がすべての筋束を覆っています。
線維の種類
さて、かったるい解剖の話は終わりました。
まだまだ解剖に近い内容が続きます。
厳密には生理学的な観点の内容ですね!
ここはトレーニングに関わる内容です。
痩せたい人や筋トレ興味がある人はしっかり見ましょう!
タイトルにある通り、筋線維にはいくつか種類があります。
まず、何があるのか紹介します。
- TypeⅠ線維
- TypeⅡa線維
- TypeⅡb線維
この3種類が存在します。
ここで3つ挙げましたがピンときた方もいるのではないでしょうか?
- TypeⅠ
- TypeⅡ
はい、この2つで分けることも可能です。
このTypeⅠ、Ⅱ線維を別の言い方で分けることができます。
それが
- 遅筋(Slow-twitch:ST)線維・赤筋線維
- 速筋(Fast-twitch:FT)線維・白筋線維
です。
TypeⅠ線維は遅筋線維
TypeⅡ線維は速筋線維 です。
さらに分けると
- TypeⅡa線維=FTa線維
- TypeⅡb線維=FTb線維
となります。
ここでは、
- TypeⅠ線維
- TypeⅡa線維
- TypeⅡb線維
で統一して紹介しようと思います。
TypeⅠ線維
まずはTypeⅠ線維から!
TypeⅠ線維には
- 収縮速度が遅い
- 酸化能力が高い
- 解糖能力が低い
- 疲労耐性が高い
という特徴があります。
酸化能力・解糖能力とありますが、これは筋肉の栄養源となるものの違いによって起こります。
これは後ほど記事にしてまとめようと思います。
特に着目して考えてほしいのは、
- 酸化能力が高い
- 疲労耐性が高い
という点ですね!
酸化能力というのは酸素を利用する能力です。
疲労耐性が高ければ、マラソンなどの長時間運動でも最後まで働きます。
このことから、持久性に長けた筋線維であることが考えられますね。
運動源として酸素を多く使うという点も覚えておきましょう!
TypeⅡb線維
順番としてはTypeⅡa線維からですが、先にTypeⅡb線維から紹介します。
特徴として
- 収縮速度:速い
- 酸化能力:低い
- 解糖能力:高い
- 疲労耐性:低い
という点です。
よく見ると、TypeⅠ線維とまったく逆になっていることがわかりますね!
つまり、短距離走などの早い動きに特化した筋線維です。
また、解糖能力は後日まとめますが、簡単に言うと糖を分解することによって栄養を得ます!
糖を利用して運動が起こることを覚えておきましょう!
TypeⅡa線維
TypeⅡa線維は
- 収縮速度:速い
- 酸化能力:中間
- 解糖能力:高い
- 疲労耐性:中間
という特徴があります。
中間という言葉が2つありますね。
この筋線維はちょうど、TypeⅠ線維とTypeⅡb線維の2つの特徴を併せ持っていると言えますね!
上記を簡単にまとめると
- TypeⅠ線維:酸素を利用し長時間の運動に有効
- TypeⅡb線維:糖を利用し短時間の早い運動に有効
- TypeⅡa線維:2つの間の働き
といった感じですね!
筋線維組成
この筋線維の組成ですが、おおよそは遺伝で決まっております。
トップアスリートの筋肉を見てみると、筋線維組成が競技特性よって変化します。
例えば、
といった感じですね!
では、後天的にトレーニングによって変化はしないのか?
いえ、そんなことはありません。
実は、少しは変えることができます。
実は、その競技特性によってTypeⅡb線維とTypeⅡa線維はお互いに変化することが可能だと報告されています。
しかし、トレーニングを中止してしまうと、元の筋線維に戻ってしまいます。
いかがでしょうか。
筋肉について少し勉強になったかと思います。
自分の復習としてもとても勉強になりました。
今後もこういった解剖学や生理学、運動学的視点も取り入れていこうと思います。
参考文献
1)平木場浩二、菊池和夫、他、浅野勝巳(編):運動生理学概論 第2版.杏林書院.東京都.2013:43.
2)和田正信、松永智、勝田茂(編):入門運動生理学 第4版.杏林書院.東京都.2015:12~20.