何が違うの?狭心症と心筋梗塞について!
投稿が久々になってしまいました。すいません(-_-;)
色々とやりすぎると何かしら手が付けられなくなっちゃいますね…
やることリストに加えてやらないことリストも作成しようかと考えているところです。やることばかり増やしていたら当然、手が付けられないものやできたとしても時間が限られてしまうものです。ここはきっぱりとやらないことを明確にして過ごしてみようかと思っています。
あ、ブログはやめませんからね(笑)
今回は視点を変えて(単に自分の勉強として残しておきたい)、内部障害!
内部障害は障害が目に見えなかったり、心電図などの機器類が多くて苦手意識のある人もいるかと思います。
また、一般の方でも障害像についてよくわかりにくいと思う人も多いと思います。
そこで、少しでも専門職(特にリハビリ職)の方が介入しやすいように、一般の方にとってもわかりやすいように、解説していこうと思います。
今回は一般の方向けで記載していこうと思います!
専門職の方はまた後程投稿しますorz
目次
心臓に流れる血液
人間が生きていくには心臓の拍動が必要不可欠です。
心臓が止まったら死ぬというのは、子どもでもわかることですよね。どこで知ったのか今大人になって疑問でもあるのですが…(僕ら世代は漫画で知るのかな?)
心臓も心筋と呼ばれる筋肉でできています。筋肉なので当然、酸素を必要とします。酸素を運ぶのは血液に含まれるヘモグロビン。血液は血管を通ります。
そう!当然心臓にも血管が走っているのです。
この血管に異常をきたしているのが、狭心症と心筋梗塞なのです!
特に、心臓で酸素を運搬する動脈のことを冠動脈というのですが、
- 右冠動脈
- 左冠動脈
があります。
左冠動脈は分岐していき
- 左冠動脈→左前下行枝、左回旋枝 へと流れていきます。
違い
さて、ここで本題の違いについて紹介しようと思いますが、ちょっとストップ!
まずは概要をさらっと書きますね!
上記で紹介した「冠動脈」が何らかの原因で狭くなり、心臓への酸素供給が障害される病気を虚血性心疾患と呼びます。
色々と言葉が出てきて頭の中が混乱してしまうかもしれませんが、落ち着いて整理しましょう。
病気ついて出てきた言葉は現在3つ。
虚血性心疾患は上記の心臓への酸素供給が障害されている病気を指すので、この中に狭心症、心筋梗塞が含まれます。
図にするほどではないとは思いますが、こんな感じです↓
ここで狭心症と心筋梗塞のそれぞれの疾患概要について紹介します。
狭心症は、冠動脈が75%以上狭窄している状態のことを指します。
75%以上なんて相当ですよね(-_-;)
この75%以上の狭窄を専門用語として「有意狭窄」といいます!
治療対象となるのがこの有意狭窄に入ってからですね!
そして、心筋梗塞は冠動脈が突然、100%閉塞した状態のことを指します。
さらっと違いを書くとすれば、「狭いか閉じてしまっているか」ですね!
「なーんだ、それだけか」
「75%以上の狭窄にならないと治療対象じゃないならそれまでは大丈夫かな~」
なんて考えで、終わってはいけませんよ!
狭心症でも症状が現れるのです!
狭心症の場合
- 階段昇降や急いで歩いたり走ったりする時などに、数分間の胸の痛みが起こる
- 寒暖差が生じる夜間・朝方のトイレ・入浴時に胸の痛みが生じる
心筋梗塞の場合
- 安静時や運動時、前胸部に突然の激痛が生じ、15分以上持続する
- 吐き気・動悸・息切れ・冷や汗・めまい・脱力感をともなう
胸部症状の持続時間の違いが明確ですよね。
心筋梗塞のほうが長くなります。
狭窄している場合は血液自体は流れていきますが、閉塞してしまったら血液は流れず、組織へ酸素が送られなくなり力を発揮できなくなってしまいます。
慢性か急性か
ここで気づいた方もいるかもしれませんが、わかりますかね。
狭心症は心筋梗塞の一歩手前の症状であり、狭心症の手前の状態でも見過ごしていてはいけないのです!
どういうことかいまいちピンとこないかもしれませんので、まずはどのようにして血管が狭まっていくのかを紹介します!
血管が狭まっていく過程
まず、コレステロールが高値だったり、生活習慣病が十分に管理されていないと、「プラーク」と呼ばれる脂肪に富んだ組織が生まれます。
このプラークをマクロファージと呼ばれるものが異物と勘違いして浸潤します。
プラークを覆う膜が薄くなってきます。この状態を不安定プラークといいます。
そこに、血流の変化などの機械的刺激が生じるとプラークが裂開します。
裂開部からの出血を止血するために急激に血小板が凝集して血栓が生じます。
心筋梗塞に至るまでに、狭窄症は発症しています。
心筋梗塞の概要でも「突然」とあったように、急性に発症するものです。
それに対し狭心症は、慢性的に存在しているものなのです!
狭心症は75%以上でないと治療とならないという話は紹介しましたよね。
では、他は気にしなくて大丈夫かというとそういうわけでもありません。
他はまだ治療対象でないだけでなく、今後狭窄が起こらないよう注意し続ける必要性があるのです!
症状は胸以外にも注意!?
上記に症状を簡単に紹介しましたが、胸の症状以外にも注意すべき場所があります。
虚血性心疾患には「関連痛」という症状があります!
これは、原因とは異なる場所に痛みが出現するものです。
冠動脈の障害により心筋に酸素が供給されないことで心臓由来の痛覚範囲に症状が出現します。
狭心症の場合、胸部の症状だけでなく、
- 歯の痛み
- 喉の痛み
- 肩・腕の痛み
- みぞおちの痛み
などに出現することがあります。
そのため、専門職の方は既往に虚血性心疾患がある場合やこれらの部位に痛みの訴えが聞かれた場合は、虚血性心疾患の症状を疑いましょう!
また、一般の方でも生活習慣病を患っており上記の痛みがある場合は病院で診察を受けたほうが良いかもしれません。
どのような対策が必要なの?
実際に虚血性心疾患を発症してしまった場合は、多くの施設でリハビリを受けることになります。
専門職の方に知っておいてほしい心臓リハビリテーションの主目的はこちらです!
大事なことは再発を予防すること!
特に注意すべきは生活習慣の見直しでしょう。入院でリハビリをしていた期間よりも退院後の生活のほうが長くなります。
そのため、いくらリハビリでよくなったとしても生活習慣が悪ければまた再発する可能性が高くなります。
それらを起こさないために、しっかりと患者さんへの指導が欠かせないのです。
食事は栄養士さんに任せるとして、リハビリ職としては運動面にしっかりと意識を向けてもらうことが必要かと思います!
これはまだ虚血性心疾患に罹っていない人でも有効な方法だと思うのでぜひご参照ください!
簡単なのは歩数の確認などでしょう。
こちらの記事に理想の歩数などをまとめた記事がございます↓
また、実際に運動をする以外にも代謝を上げる方法や歩数を増やす方法もあります。
こちらが代謝に関する話を簡単にまとめています↓
こちらで僕の生活についてまとめていますが、その中で歩数をどのように増やしているかを紹介しているのでよかったらご参照ください↓
ついでによかったらこちらも!上の記事の続きです↓
いかがでしょうか!
奥深くないので専門性に欠ける部分はあるとは思いますが、最も重要な部分を紹介しました!
これからも自己研鑽として内部障害についてもまとめていこうと思います!
他の記事もしっかりと書いていきますのでどうかよろしくお願いしますorz
エビデンスの見方
今回もエビデンスについて紹介します。
臨床を行う中で、疑問に思うことはあると思います。
「この人はどうやって介入しよう?」、「なかなか良くならないな。原因はここではないのだろうか」、「違うアプローチがあるのだろうか?」などなど、考えることは多々あると思います。
そんなときに参考にするのが、教科書だったり論文です。教科書の場合は参考文献を集めて出版しています。作っている過程でデータが古くなっている可能性もあります。新しいデータや記録、エビデンスを参考にしたい場合はオンラインで論文を調べたほうが速いです。
そんな時にも注意事項があります。論文を用いて介入を決める場合などの注意事項を今回はまとめていきます!
目次
注意事項
まずはざっと注意事項を上げていこうと思います!
- その研究は、理学療法士が答えようとしている特定の臨床疑問を扱っているか
- その研究の対象は、理学療法士が臨床で関わる患者/利用者/被験者に類似しているか
- その研究は、査読を受けたうえで公表されたか
- その研究の背景と使用された技術は、現代医療に合致しているか
この4点に注意しましょう。
以下、一つずつセクションにまとめて簡単に紹介します。
その1
検査、診断、予後、介入、アウトカムに関する患者/利用者マネジメントの要素によって、エビデンスの展開と適用可能性のある焦点領域が決まります。自分が知りたい内容のエビデンスでないと当然意味がありません。当たり前のことですが(笑)
個々の患者に関連していると理学療法士が考えている検査、測定、分類方法、予後因子、治療技術、臨床予測ルールやアウトカムに絞ってエビデンスを扱うことが理想となります。
その2
望ましいエビデンスには、研究成果を個々の患者に適応する理学療法士の能力を向上させるための、担当している患者/利用者/被検者に類似した対象が含まれています。
注意してみる項目として
- 患者の診断名
- 病気の重症度
- 問題が生じている期間
- 機能の状態
- 障害の程度
- 年齢
- 性別
- 人種および患者/利用者マネジメントが行われている臨床場面
などがあります。
これらに限ったものではありませんが、実際の自分の患者/利用者と共通しているかどうか、チェックする必要はあります。病気の重症度が違うだけでも治療アプローチが異なる疾患もあるため、注意が必要です。
その3
査読とは、各分野のスペシャリストによって論文として掲載される利点のある内容かどうかが審査される過程のことをいいます。
審査基準として
- 研究デザインおよび実施が適切であるか
- 特定の分野または当該の学術誌が扱っている分野に研究結果が適合しているか
- そのトピックに関する知識の蓄積へ貢献しうるものか
- 記載方法は適切か
などが含まれます。
査読による精査は、質の低い研究を取り除くスクリーニングとしても機能します。チェックしておきましょう!
その4
研究そのものが終了してから論文として掲載されるまで、多くの場合は1年またはそれ以上の期間を要します。そのため、当時流行っていたアプローチ方法であったり疾患であっても時期が異なるためニーズに沿えなくなっている可能性も少なくありません。
しかし、近年行われているインターネット上への直接的な論文公開の多くは、間違いなくこの時間を解消しています。逆に、進みすぎた医療技術の進歩故に、比較的古い研究を現在の患者の治療に反映させにくいという問題を生じている可能性もあります。
この点に関して、技術に疑問がある際には、時期が古いというだけで過去の研究の価値を否定するべきではなく、評価された内容は研究された時期から変わらず存在していることも同時に理解しておく必要があります。いかに古いアプローチ方法でも変わらず行われてきた手法であれば、適応である可能性もあります。「古いから」という理由で切り捨てず、しっかりと判断する必要があります。
ここに挙げたものは「望ましい」ということを示すものであり、エビデンス検索時の「必須」ではないためそこも注意しましょう。
今回は短いですがこの辺で!
また随時更新していきます!
根拠に基づく理学療法の実践に向けて
今回もエビデンス関連の記事です。
ここでは根拠に基づく理学療法の実践 evidenced-based physical therapist ractice(EBPT)を紹介します。
目次
定義
まずEBPTの定義として
根拠に基づく理学療法の実践は、患者/利用者/被検者のアウトカム、およびQOLを最適化するために、"臨床判断を伴った最も利用可能なエビデンス"と、患者/利用者/被検者の希望、および価値観を統合し、また、理学療法サービスが提供されているより大きな社会的文脈が考慮された、患者/利用者/被検者の理学療法マネジメントについての"開放的な思慮深い臨床的な意思決定"である。
とされています。
まず求められているのは「エビデンス」ですよね!
これは欠かせないと思います。
患者や利用者に変化を与えなければなりませんので、効果的な介入が求められるのは当然ですよね。
その中でも「最も利用可能なエビデンス」というところに注目してみましょう!
これは理学療法士が患者/利用者マネジメントを行ううえで理学療法士がもつ疑問に関連した、最新で、慎重に設計された研究を意味しています。
そして、エビデンスだけではありません。
定義を見ると「患者/利用者/被検者の希望、価値観を統合し」とありますね。
いくらエビデンスがあるからといってその方法を強要し、患者が求めていないことをやらせるのはよくありません。
患者さんには患者さん、利用者さんには利用者さんの人生とこれまでの経験で培ってきた価値観があります。
その人らしく生きられるよう希望や価値観に沿った介入を行うことも必要です。
その点が、理学療法の特殊性なのではないでしょうかね。
「大きな社会的文脈」というのは
ヘルスケアサービスの提供や支払いの管理に関する規律を含んだ、社会的、文化的、経済的、政策的影響を意味しています。
最後に「開放的な思慮深い臨床的な意思決定」とありますね。
「開放的」という用語には
- 結論にたどりつくまでにとられた手順
- 根底にある理論的根拠
- 行為の実行、および拒否による背泣いてきな影響
を含んでいます。
「思慮深い臨床的な意思決定」は
倫理、標準的なケア、および法的あるいは規制への配慮を含んだ専門的な文脈における、さまざまな選択に関する理学療法士におけるリスクと便益の評価を意味しています。
EBPTの過程
これには様々な要因に依存します。
最初に、何がわからないのか認識するために、患者/利用者/被検者の状態について十分な知識を必要とします。
それに加えて、どの情報はエビデンスが強く、どの情報はエビデンスが弱いかというエビデンスの評価の過程に関する知識を身につけるか、あるいはそれにアクセスしなければなりません。
そして、雑誌やオンラインなどからエビデンスにアクセスします。
そこからエビデンスを評価したり、実践にエビデンスを統合したりするために検索する時間を必要とします。
Jetteらが行った調査によると、EBPTに必要ないくつかの特徴はその実行が妨げられていることを示唆しています。
それによると、大半の回答者(n=488)はエビデンスが実践に必要でケアの質を改善させると確信しているが、対象者の67%はEBPTの実践の3つの障壁のうち第1位を”不十分な時間”としています。
僕は急性期病院に勤務しておりますが、1日に見る患者数は8~10人程度です。
多いかどうかは定かではありませんが、患者数が多いとそれだけ調べる回数も多くなるため、時間が足りないというのも一理ありますね。
また、臨床業務が終わってカルテを入力してから調べようと思っても、業務だけで手一杯になってしまいますよね。
また、効果的な検索戦略を実行する能力、エビデンスを評価する能力、オッズ比や信頼区間といた用語が使われている結果を解釈する自己評価が低いことも示されています。
エビデンスを調べることはもちろん重要です。
しかし、このような状況がある中でやるべきなのは「エビデンスを調べる十分な時間」を確保することではないでしょうか。
これは単独で行えるものではないと思います。
忙しい病院や施設ではリハ科全体で取り組むべき課題でもあると思います。
大変なのはもちろんですが、患者/利用者中心の医療を行っていくのであれば、時間を調節するマネジメント面を改善することが必要かと思います。
業務を効率化させ、時間を作り、エビデンスに基づいた介入をする。
この形を作っていくことがまずは必要なのではないでしょうか。
エビデンスに関する情報を随時更新していこうと思います。
参考文献