糖尿病ってどんな病気?
今回は糖尿病について紹介しようと思います。
病院勤務の人にとって、既往として糖尿病を持っている方を見ることは多いと思います。
皆さんも聞く機会は多いのではないでしょうか。
実際、糖尿病になると様々な障害リスクが高まります。
糖尿病について書くと多くなってしまいますので、何回かに分けて投稿していきます。
今回は大まかにまとめていきます。
目次
実態
平成9年から5年毎に実施されている厚生労働省糖尿病実態調査では、
糖尿病が強く疑われる人
- 690万人(平成9年)
- 740万人(平成14年)
- 890万人(平成19年)
糖尿病の可能性が否定できない人
- 680万人(平成9年)
- 880万人(平成14年)
- 1320万人(平成19年)
と、年々増加傾向を示しています。
糖尿病治療の目標は
- 糖尿病症状を取り除く
- 特徴的な、あるいは併発しやすい合併症の発症・増悪を防ぐ
- 健康人同様のQOL(生活の質)を保つ
- 健康人と変わらない寿命を全うする
こととされています。
よく耳にする糖尿病ですが、こう見ると
「あれ?結構重い病気なの?」って感じますよね。
脳血管疾患や心大血管、運動器疾患の併存症あるいは背景疾患として遭遇する頻度は増えるといわれています。
また、糖尿病やその合併症に伴う循環機能障害、腎機能障害や運動機能障害は日常生活活動の制限、社会参加の制約となり、これらに基づく精神・心理・社会・経済的な問題を含めた患者の「生活の質」や社会・経済に及ぼす影響は甚大です。
概念
特徴として
- インスリン効果の不足があり、機序としてインスリンの供給不全(絶対的ないし相対的)とインスリンが作用する臓器(細胞)におけるインスリン感受性の低下(インスリン抵抗性)があげられる。
- 糖尿病患者の代謝異常が軽度であれば無症状に経過し、血糖値が著しく上昇するような代謝状態であれば口喝、多飲、多尿、体重減少などの症状が出現し、最も重篤な場合はケトアシドーシスから昏睡に至る。
- 代謝異常が長期間持続すると糖尿病に特有な細小血管合併症(糖尿病性網膜症、腎症、神経障害)が出現する。これらの合併症が進行すると、視力低下(時に失明)、透析に至る腎不全、切断の原因となる感覚障害など、QOLを脅かす重篤な結果をもたらす。
- 動脈硬化を促進し脳血管障害、心筋梗塞などの原因疾患となる。
があげられます。
これは僕の勝手な推測なのですが
「糖尿病は薬を飲んでいれば大丈夫」と思っている方が多いのではないかと思っています。
しかし、上にあるようにしっかりと治療をしていないと3や4のように失明や切断、脳血管障害などを発症し得る可能性が高くなります。
「え、知らなかった!そうだったんだ!」
って方はこれを機に覚えてください!
そういうブログでありたいので(笑)
今回は概要をまとめました。
次回から糖尿病の定義や分類などをまとめていこうと思います。
参考文献
http://www.japanpt.or.jp/upload/jspt/obj/files/guideline/16_diabetes.pdf
2)上月正博,高橋哲也,他:吉尾雅春,高橋哲也(編):標準理学療法学 専門分野 内部障害理学療法学.医学書院,2015,東京都:p297~298.