COPDー症状について
以前、COPDについて簡単に紹介させていただきました。
症状に関してはふれていなかったので、ここで紹介させていただきます。
症状がわからなかったら、意味ないですもんね...(笑)
目次
閉塞性換気障害
初回で説明不足だったのですが、COPDは「閉塞性換気障害」に分類されます。
閉塞性換気障害は、気道が閉塞して気流が制限された状態のことをいいます。
この障害は、気管から肺胞までのどの部位の病変でも生じます。
閉塞性換気障害になるとどのような症状が起こるのでしょう?
簡単にまとめると
- 気道が狭くなり、空気の排出が制限される
- 肺胞壁が破壊され、呼気の排出が制限される
どちらも、空気を吐く際の制限ですね。
そう、閉塞性換気障害になると息が吐きづらくなります。
空気を吸うことができるのは、息を吸う際、胸郭が拡張するため、肺への空気の流入は妨げられないのです。
では、COPDに話を移します。
COPD
基本の病態は気流制限です。
その原因は、慢性気管支炎による末梢気道の狭窄性変化と肺気腫による肺胞の破壊です。
2つの病気の名前が出てきましたね。
実はこの2つ、合併することが多いため、COPDとしてまとめられているのです。
そのため、COPDは気管支炎と肺気腫の症状を兼ね備えたものとなります。
症状
ここで症状に移ります。
典型的な症状として、
- 慢性の咳嗽
- 喀痰
- 労作時呼吸困難(最も多い)
となります。
なんだ、たいしたことないじゃんって思いますか?
人間が生きていくうえで最も大切なものは「酸素」です。
人は酸素を取り入れ二酸化炭素を排出するために呼吸をしています。
また、酸素は身体を動かすためにも必要です。
そのため、酸素を取り入れるための呼吸が障害されると、生命的にかなり危機的な状況です。
また、労作時というのが、仕事や運動にとどまりません。
ひどい場合は家の中を少し歩いただけで苦しくなる場合もあります。
呼吸困難をあなどってはいけません。
また、痰は気道を閉塞する要因でもあります。
それが多く出るとなると苦しさに繋がります。
さらに痰を出すためには咳が必要です。
痰を出すために常に咳をするのもかなりつらいですよね。
他にも、症状があります。
全身症状
COPDは肺以外にも全身性の影響をもたらします。
などがあります。
かなり多いですね。
肺だけでなく、血管や筋肉、さらには精神症状まで起こるのです。
身体所見
COPDには典型的な身体の特徴があります。
あれ、あの人そうなのかな?
実はあの人そうだったんだ!って気づくきっかけになるかもしれません。
少なくとも、ご家族の方でこのような方がいたら病院に行くことを勧めましょう!
・ビア樽状胸郭:肺の過膨張により、胸郭の前後経が増大します。
・胸鎖乳突筋の肥大:首前面の筋肉が膨れ上がります。胸鎖乳突筋は息を吸う際の補助筋ですが、COPDの場合は、この筋を使って呼吸をしています。
・口すぼめ呼吸:ろうそくの火を消すように息を吐いています。こうすることで、気道内圧が高まり、呼気時(息を吐く際)の気道閉塞を緩和します。
・Hoover徴候:吸気時(息を吸う際)に胸郭下部の肋骨正常とは逆に内方へ移動します。
いかがでしょうか。
今回は症状についてまとめてみました。
息のしずらさは単なる加齢のせいだけではないかもしれません。
おかしいなって思ったら一度病院にかかってみましょう。
参考文献
1)病気が見える 4 呼吸器
2)上月正博,高橋哲也;吉尾雅春(編):標準理学療法学 専門分野 内部障害理学療法学.医学書院,東京都,2013:p238.