健康の保持に必要なこと!行動変容って何?
そろそろ禁煙方法についても書いていきたいのですが、その前に必要な考え方があるのでそれをまず紹介します。
何かをやめたり、新しく始めようと考えて実際に始めても、中々続かない、思うように進まない、なんてことありませんか?
僕も一時期ダイエットが思うように進まなかったことがあります。
そこで、必要となってくるのが、「行動変容」です。
この言葉も馴染みがないと思います。
ダイエットや健康を維持するには一時的によくするのではなく、その体型ならびに生活習慣を維持することが重要だと僕は思っています。
今回は行動変容について、一緒に勉強していきましょう。
行動変容とは
行動変容とは、「健康の保持増進、病気回復のために、行動・ライフスタイルを望ましいものに修正、習慣化すること」です。
上記にもあるように、一時よく行ってもまた逆戻り、では意味がありません。
たびたび言いますが、大切なのは「習慣化」です。
健康教育上、知識の普及だけでは好ましい態度を作り、習慣づけることは難しいです。
そこで、個人の心理的側面や価値観に着目され、
- 健康に対する危機感を抱くこと
- 健康行動をとることのマイナス面よりプラス面が大きいと感じること
という2つの条件を満たすと健康行動を促進するというヘルスビリーフモデルが示されました。
Banduraによる社会的認知理論では、人間が行動をとるときに、
- その行動は望ましい結果をもたらす(結果期待)
- その行動をうまくやれる自信(自己効力感)
この2つがあると思えると、行動は起こしやすいとされています。
たしかに、やってよくならないことをやりたくもないし、難しすぎるとやる気もなくなってしまいますからね。
いい結果になることを知っていること、自分でもできそうだと思えることはとても大事ですね。
では、自己効力感を高めるにはどうすればいいのでしょうか?
高める情報として、
- 自己の成功体験
- 代理的経験
- 言語的説得
- 生理的・情動的状態
があります。
行動変容のステージ分類
行動変容には5つのステージが存在し、そのステージに合わせたアプローチが重要となってきます。
今回はそれを簡単に紹介していきます。
- 前熟考期(無関心期):6ヶ月以内に行動変容に向けた行動を起こす意思がない時期
- 熟考期(関心期):6ヶ月以内に行動変容に向けた行動を起こす意思がある時期
- 準備期:1ヶ月以内に行動変容に向けた行動を起こす意思がある時期
- 行動期(実行期):明確な行動変容が観察されるが、その持続がまだ6ヶ月未満である時期
- 維持期:明確な行動変容が観察され、その期間が6ヶ月以上続いている時期
人によっては、無関心期であったり、関心期であったりと様々です。
また、無関心期にいる人に、早く行動してくださいと行動期のアプローチを起こしてもらうのはとても大変ですし、失敗に終わります。
なので、その人が今どの段階にいるのかを把握し、次のステップへ繋げることが大事です。
つまり、無関心期の人は関心期へ、関心期の人は準備期へと、一つずつステップをこなしていくことが重要です。
こう見ると大変そうに見えるかもしれません。
しかし、行動を維持することはとても時間がかかります。
やろうと思っていることを歯磨きレベルの習慣に落とし込むには半年くらいはかかるのかもしれませんね。
簡単な説明で終わってしまいましたが、次回から一つずつ細かく解説していこうと思います。
参考文献
1)益子育代:行動変容(behavior modification).アレルギー,2017,66(3):p238~239.
2)永嶋道浩:特定保健指導に対する理学療法の新展開―特定保健指導の理学療法士の関わり―.理学療法学,2012,39(8):p550~551.
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