あんまり聞かないCOPDについて
COPDって聞いたことありますか?
最初の記事でも名前だけ出しましたが、なじみのない人の方が多いのではないでしょうか。
ちなみに、最初の記事はこちら↓です。
タバコを吸っている人にとってはかなり注意する必要がある病気なので、今回はCOPDについて説明します。
目次
COPDとは?
COPD(シーオーピーディー)と読みます。
日本語では「慢性閉塞性肺疾患」、フルスペルで「Chronic Obstructive Pulmonary Disease)と言います。
では、どんな病気なのか?長いですが定義を書いていきますね。
タバコ炎を主とするタバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患である。呼吸機能検査で正常に復すことのない気流閉塞を示す。気道閉塞は末梢気道病変と気腫性病変が様々な割合で複合的に作用することにより起こり、進行性である。徐々に生じる体動時の呼吸困難や慢性の咳、痰を特徴とするが、これらの症状が乏しいことがある
とされています。
注目すべきは、タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露、正常に復すことのない気流閉塞、進行性、でしょうか。
なので、タバコを吸わなければ発症することはあまりありません。ただし、受動喫煙によっても起こりうるので、注意が必要です。
どれくらいの人が発症してるの?
実際、COPD患者は増えています。
総患者数は、約26万人とされています。
しかし、これは氷山の一角であり、患者40歳以上の有病率は8.6%だそうです。
この数字だけ見ると少なそうですが、患者数はなんと530万人になると推定されています。...すごいですよね。
なんでこんなに実際の患者数と推定患者数に違いが生じるのか?
それは、体動時の呼吸困難や慢性の咳や痰など加齢性変化との境目が明確ではないのがあります。
たしかに、歳をとれば身体を動かすのが徐々に辛くなりますし、風邪もひきやすくもなります。
それもあり、未受診、もしくは診断がついていない隠れCOPDが多いためだといわれています。
ちなみに、聞いたことの少ないCOPDについてですが、COPDの啓蒙活動が行われています。
認知度は25%程度だそうです。また、目標は80%だそうです。...これからですね。
危機
目次名は微妙ですが、COPDに関しての恐ろしい点をここで紹介します。
2010年の世界死亡順位は第4位であり、2030年には死亡順位第3位になると推定されています。
知られていない割には死亡順位が高いんですよね。
ちなみに、2030年の世界死亡順位予測ですが
となっています。
この中でも、タバコに関わりの深い病気は幾つか見られますね。
また、COPDは心疾患、糖尿病、栄養障害、骨粗鬆症など多くの生活習慣病の併存症をもたらします。
対策
色々と危険な面ばかり取り上げてきましたが、COPDは
「予防と治療のできる疾患」であります。
対策としては、禁煙、受動喫煙しないこと です。
喫煙が原因で起こる病気なので、タバコに関わらないことが重要となります。
簡単にCOPDについて紹介しました。
COPDの認知に少しでも関われれば幸いです。
参考文献
1)高橋一揮:心血管疾患・COPD理学療法診療ガイドライン.理学療法の歩み,2018,29(1):p3~11.
2)工藤翔二:COPDの疫学と予防:健康日本21(第2次)を中心に.日本内科学会雑誌,2015,104(6):p1059~1066.