予防のススメ

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そんな先の話までわかってるけど怖い!?2025年問題について!

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  医療従事者にとっては聞き馴染みのある言葉、「2025年問題」。

 

 その先には2040年問題というものも存在します。

 すでに予測を立てて、対策を打とうとしています。

 

 聞き馴染みのない方の方が多いのではないでしょうか?

 実際にどういった問題が起こるのか、今回は2025年問題についてまとめていこうと思います。

 

目次

 

高齢化

 まず説明しないといけないのは、日本で少子高齢化が進んでいるのはおそらくご存知かと思われます。

 これまでの経過として、日本は

  • 1970年:高齢化社会
  • 1995年:高齢社会
  • 2007年:超高齢社会

と、高齢化率が上昇していっています。

 

 「え?文字は違うけどどう違うの?」と思いますよね。

 ここでそれぞれの違いをまとめます。

 

 ※高齢化率は65歳以上から

 

 高齢化率は今なお上昇していっています。

 その中で、老人保健制度やゴールドプラン介護保険制度の創設など、それぞれの時代に必要な対応が進められました。

 

2025年問題

 人口のボリュームゾーンである団塊の世代の全員が65歳以上に到達したのが2015年です。

 その10年後である2025年には団塊の世代の全員が75歳以上になり、高齢者人口は約3500万人に達すると推計されています。

 これまでの高齢化の問題は、高齢化の進展の「速さ」でした。

 上の高齢化社会から超高齢社会になるまでに、37年しか経っていません。

 この速さで高齢化が進んでいる国は日本しかありません。

 

 現在は高齢化率の高さ、つまり高齢者数の多さが問題となっています。

 

 これは、高齢者人口と割合になります。

 

2012年8月

2015年

2025年

65歳以上高齢者人口

3058万人(24.0%)

3395万人(26.8%)

3657万人(30.3%)

75歳以上高齢者人口

1646万人(13.0%)

2179万人(18.1%)

2401万人(26.1%)

 

 他には、

  • 2042年にはピークを迎える(高齢者人口3878万人)
  • 75歳以上高齢者の全人口に占める割合は2055年には、25%を超える

と言われています。

 

認知症高齢者数

 では、高齢化が進むとどうなるのでしょうか。

 まず、考えられるのは疾病に罹った方が増えることです。

 特に問題となるのは、認知症です。

 詳細は省きますが、認知症の中核症状(主な症状)として、

  • 記憶障害
  • 理解・判断力の障害
  • 実行機能障害
  • 見当識障害

があります。

 

 他の症状として

  • せん妄
  • 抑うつ
  • 人格変化
  • 不潔行為
  • 暴力行為
  • 幻覚
  • 妄想
  • 徘徊

があります。

 

 認知症高齢者数は2025年には約320万人になると推計されています。

 平成14年9月時点で、要介護者の1/2は認知症の影響が認められています。

 

  さらに、65歳以上高齢者のうち、

認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱ以上の高齢者が増加していくと言われています。

認知症高齢者の日常生活自立度は、高齢者の認知症の程度を踏まえた日常生活自立度の程度を表すものです。

 特徴として

  • Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Mの5段階
  • Ⅱ・Ⅲはa、bとさらに区分がある

 そして、「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱの判定基準は

日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。

 とされています。

 つまり、サポートがあれば生活することが可能な状態となるわけです。

 

 このⅡ以上の高齢者数の推計として

  • 2010年:280万人(9.5%)
  • 2015年:345万人(10.2%)
  • 2020年:410万人(11.3%)
  • 2025年:470万人(12.8%)

 といわれています。

 

高齢者の世帯

 世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯が増加していくことが予測されています。

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 ここで考えなければいけないのは、一人暮らしや夫婦の世帯の高齢者が増えること、認知症の高齢者が増加することです。

 

 単独世帯や夫婦で生活していると、自分が認知症になったことにも気づかずに生活をしていることが考えられます。

 また、誰かに注意されたり、指摘されることも少なくなるでしょう。

 そうなると、日常生活に支障を来たす可能性が十分に考えられます。

 さらに、高齢であると疾病リスクも高く、病気にかかると元の生活に戻るのも難しくなります。

 したがって、金銭面や周囲の協力も必要になってきます。

 

 そのため、高齢者の日常生活を支援することのニーズはかなり高まってきています。

 

 みなさんの父母、祖父母は大丈夫でしょうか?

 離れて生活されている方は様子を見に行ったり、電話で近況を確認してみるとよいかと思われます。

 

 ちょっと長くなってしまったので、今回はこの辺で失礼します。

 少しずつ更新していきます。

 

参考文献

1)地域包括ケアシステムの深化・推進に向けた制度やサービスについての調査研究<地域包括ケア研究会>2040年:多元的社会における地域包括ケアシステム―「参加」と「協働」でつくる包摂的な社会―

https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2019/04/koukai_190410_17.pdf

2)今後の高齢者人口の見直しについて

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/dl/link1-1.pdf

3)厚生労働省 認知症とは 認知症の基礎~正しい理解のために~

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139666.html