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直観を鈍らせる?バイアスについて!

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 前回、直観力について紹介しました!

 直観力は実際に行動を起こし、その結果をフィードバックすることで強くなります。

 しかし、「直観が当たった試しがないんだよね」、「外れることのほうが多いんだよね」という意見もあると思います。

 

 実は、直観力は鍛えることができますが、直観を鈍らせるものもあるのです。

 それが「バイアス」です!

 

 今回はそのバイアスについて紹介します。

 

目次

 

バイアスとは

 バイアスという言葉を聞いたことはあるでしょうか。

 僕も聞いたことはありましたが、どういう意味なのかをしっかりと把握できていませんでした。

 定義として

人間の脳に備わった思い込みや先入観のこと 

  となっています。

 

 つまり、自分の思い込みによってその考え方が決められてしまうということです。

 就活中の面接で茶髪の人がいたとしましょう。

 その人を見て「チャラそうだな」と思うのは 茶髪=チャラい というバイアスがかかっているからにほかなりません。

 しっかりとその人を見れていない証拠です。

 

 前回紹介しそびれてしまいましたが、直観を正しく働かせるコツとしては

  • 先入観や固定観念を捨てる
  • 最初にパッと見た"まっさらな印象"で判断する

ことが大切です!

 

直観を鈍らせるバイアス

 では直観を鈍らせるバイアスはどのようなものがあるのでしょうか。

 それを一つずつ簡単に紹介しようと思います。

確証バイアス・自己奉仕バイアス

 これは面接時などでかかりやすいバイアスです。

 人は自分にとって都合のいい情報、自分の先入観を裏づけ、その確証となるような情報だけを集めようとする傾向があります。

 この心理現象を自己確証バイアスといいます。

 これは面接時で起こり得ることですよね。

 採用側としては、履歴書に「一流と呼ばれる大学を出ている」、「有名企業でのキャリアがある」、「前職での実績が豊富」なことが書かれていれば

 「この人はできる人だ」と思いますよね。

 それが面接時に無意識にその人の良い面ばかりを見てしまうのです。

 

 これは僕の考えですが、自分の研究分野でも自分にとって都合のいい情報ばかりに目が行ってしまうのも、この働きがあるのかなと思います。

 また、これも僕の考えですが面接や人に良く思ってもらいたい場合は、相手にとって都合のいい情報を多く提示することでよい関係を築くことができるのかなと思います。

 

 そして、自分に都合のいい情報ばかりを集めることで、先入観や思い込みの度合いはより大きくなり、直観で感じ取れるはずのほぼ正しい情報を見逃してしまう恐れがあります。

 

 そして、自己奉仕バイアスというのは、成功したときは自分自身の能力によるものであり、失敗したときは自分ではどうしようもない外的な要因によるものだと思いこむ考え方です。

 簡単に言うと、

成功したら自分の手柄、失敗したら誰かのせい」です。

 これ言われたら超ウザイやつですよね(笑)

 けど、このような話をよく聞きませんか?

 同期で出世した人がいたとすると

「あいつが出世したのは、単に運がよかったから」、「上司におべっかを使ったから」なんていう愚痴が居酒屋などで言われてそうですよね。

 これは、自分のプライドや自尊心を守り、維持するために無意識にそうしたバイアスが働くとも考えられています。

 

正常性バイアス

 これは先ほどの確証バイアスとは逆の考え方です。

 正常性バイアス

自分にとって都合の悪い情報はスルーする、無視してしまう」バイアスです。

 簡単に言うと

「自分だけは大丈夫」、「今回は大丈夫」、「まだ平気」など、自分は大丈夫だと根拠のない思い込みをしてしまうのです。

 

 これも見かけることはありませんか?

 周りから見て危ないんじゃないか?と思っても当の本人は「大丈夫だよ」っていう場面。

 オレオレ詐欺振り込め詐欺に遭った人たちは口を揃えて「まさか自分が...」と言うそうです。

 最初話を聞いたときは「あれ?」と直観で「怪しい、危ない」と感じるのですが、それを正常性バイアスが打ち消してしまうのです。

 

 正常性バイアスは、直観で感じた異常を自己都合で打ち消し、「正常」と思い込んでしまう人間心理のワナとも言えますね!

 

後知恵バイアス

 ものごとが起きたあとで、その結果が予測可能だったのにと考える心理現象のことを後知恵バイアスと言います。

 野球観戦を例にしましょう。

 9回裏2アウト2ストライク。ホームランでサヨナラ逆転の場面。ある人が「フォークかな、今日はストレートが走ってるから、思い切って真っ直ぐで勝負でもよさそうだね」と言います。ピッチャーはストレートを投げ、ホームランを打たれてしまいます。守備チームは逆転負けとなります。すると先ほどの人はこう言います。

 「ほらみろ、最後の勝負球はやっぱりフォークボールでしょ。いくら調子がよくても真っ直ぐじゃ打たれると思ったよ」

 

 これに似たような光景を見たことある人はいるのではないでしょうか。

 この人は仮にピッチャーがストレートで三振を取ったとしても「ね!言ったでしょ」というと思います。

 結果を知ってから、あたかも自分がその結果を予想していたような錯覚に陥っているのです。

 

 要は「結果論」なんですよね。

 直観に従って行動できずに失敗したことに対する「後づけの言い訳」や「後づけの正当化」といっていいでしょう。

 

内集団バイアス

 「自分たちが所属している集団は正しい。俺たちが正しい」と考えてしまう心理状態を内集団バイアスと言います。

 これは理学療法士の世界でいうとボバース vs PNFを表しているのではないかと思います。

 個人的な意見ですが、僕はどちらが優れている、どちらが悪いでもなく、どちらの手技も大切だと思っています。

 

 この心理状態に陥ると、うまくいったら自分たちの実力、失敗したら周囲のせいにする傾向があります。

 自分の集団に都合よく考えることで、集団の評価を維持しようと考えるのです。

 

多数派同調バイアス・リスキーシフト

 あなたは電車に乗っており、座席に座っています。座席にはみんな人が座っています。あなたの目の前に高齢者がいます。

 もちろん、席を譲るのが一般的な考え方でしょう。しかし、周囲の人が誰も席を譲ろうとしないとどうでしょうか。

 正義感の強い人なら気にせず席を譲れると思います。

 しかし、周囲に流されやすい人なんかは、「誰も譲ろうとしないしまあいっか」と考えてしまうかもしれません。

 このような、行動に迷ったときに周囲の人たちに合わせようとする心理傾向を多数派同調バイアスと言います。

 

 正常性バイアスと似ていますよね。

 違いとして

 と、個人 か 集団 かの違いになります。

 

 注意すべきは、多数派同調バイアスはときに危機を察知する能力という人間の生存本能に近い直観をも鈍らせてしまう、とても厄介なバイアスです。

 その例として、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という言葉があります。

 聞いたことあるでしょうか?

 小さい頃はふざけていっていましたが、大人になって子どもがこれを言っているとちょっとイラっとしてしまいます(笑)

 車の運転中に子どもが飛び出して来て困るのは運転手である僕たちですからね。

 これは、多数派同調バイアスがさらに「悪化」した状態とも言えます。

 みんなが大丈夫と言っているから大丈夫と思ってしまう心理のことをリスキーシフトと言います。

 

 こうなると、集団でいるとき個人の時に比べて「より極端でリスクの高い行動」を摂るようになります。

 一度冷静に考えれば危険なことはわかるので、注意が必要ですね。

 

持続性バイアス

 ヒトの感情には波があります。

 いいことがあったり嫌なことがあったり。そのたびに感情が揺れ動きます。

 その感情一つ一つが、ずっと長く続くものだと思いがちです。

 ひどいショックを受けて落ち込んでいても、しばらくするとケロッと立ち直ってしまうし、すごくハッピーなことがあっても、いつのまにかそれが当たり前になってしまう。

 人はネガティブにしろポジティブにしろ、何かの出来事に遭遇した時に生まれた感情の将来的な持続に対して、過大に見積もる傾向があります。

 今の自分の感情がずっと続くと思ってしまう思い込みのことを持続性バイアスと言います。

 このバイアスが働くと、直観による行動にブレーキをかけてしまいます。

 自分の感情の持続性を必要以上に、大きく長く多くも積もって動けなくなってしまうのです。

 人は失敗するのが怖くて行動できないのではありません。

 失敗して感情が傷つくのが怖いのです。

 

保守性バイアス

 自分とは違った考え方やまったく新しいモノの見方などに直面することがありますよね。

 特に最近は様々な情報であふれていて、どれが正しいのかどうかすら、判断しかねることが多いということもあります。

 しかし、新しい情報や方法を知っておかないと時代にうまく乗れないなんてこともありますよね。

 スマートフォンSNSなんかもそうです。

 こういうのは高齢なかたほど使うことを渋る傾向にありますよね。

 「これまで携帯を使っていたんだからこれでいい」といった感じで。

 他にも、SNSを見ているとexcelを十分に使えない上司のことを愚痴っているのを見たことがあります。

 これまでのやり方を貫き通す人っていますよね。

 そういった、それまでの自分の考え方に固執して、それらを否定したり、正当に評価しなかったりする心理傾向を保守性バイアスと言います。

 このバイアスが強いと、新しい情報を受け入れず、過去の考えや見通しに固執することで、直観による判断が封じ込められてしまいます。

 

 

 いかがでしょうか。

 あなたはバイアスにかかっていませんか?

 僕は正常性バイアスと保守性バイアスがあるような気がします。

 結構頑固な面もあるんですよね(-_-;) 気を付けないといけません。

 バイアスにかかっているかどうか、気にしてみることで自分の心理傾向がわかります。

 それがわかれば、考えを改めるきっかけになり、直観も働きやすくなり行動も起こしやすくなるかと思います。

 

 他にも多くのバイアスがあるので、今後紹介できればと思います。

 ではでは✋

 

参考文献

メンタリストDaiGo:2秒で最高の決断ができる直観力. リベラル社.