喫煙とがんの関係性!がんの痛みって?
喫煙によってがんにかかりやすくなることは理解できると思います。
たばこには発癌物質が含まれていますからね。
詳しくはこちらの記事を参照してください。
今回、がんにかかった後の喫煙状況を深めてみようと思います。
また、がんによる痛みに関してはピンと来ないのではないでしょうか。
がんってそもそもどんな状態なの?って思いませんか?
今回はその辺を解説していきます。
目次
喫煙とがんについて
喫煙によって、肺がんをはじめとする様々ながん(口腔、喉頭、咽頭、食道、胃、肝臓、すい臓、腎、膀胱、子宮頚、骨髄性白血病)の発生や進行と関連することがあきらかになっています。
これを聞いても、自分には関係ないと思ってしまうことで、禁煙に手が伸びない人が多いのかもしれないですね。
しかし、これだけではありません。
がんと診断された後も喫煙を継続する患者は少なくないそうです。
え、診断されたのに?やめないの?と僕は思ってしまいました。
皆さんはどうでしょう?やめますか?
ある90年代の報告では
- 頭頚部がんと診断されたうちの23~35%
- 肺がんと診断されたうち13~20%
が喫煙を継続していたそうです。
日本では、がんと診断された時点での喫煙者168人中96人(57%)が診断後10年までの間に喫煙を継続していたそうです。
さらに、手術前日になっても喫煙していた患者が801人中45人(6%)いたそうです。
どうしてやめないのでしょう?
ふと、思ってしまいます。
実際に、吸っている人は「がんになってしまったのだから今さら禁煙しても意味がない」と主張するそうです。
・・・たしかに・・・と思いますか?
以前禁煙を進める理由という記事にて術後合併症、術中合併症が起こりやすいというものも書きました。
手術のリスク、手術が終わった後もリスクが高くなるので、止めるべきだと思います。
当然、苦しさが長くなるのでね。
そこで今回、この苦しさに着目しました。
皆さんが一番いやなことって何ですか?
僕は「痛み」です。
痛いのが続いていると動くのも大変ですし嫌じゃないですか?
実は、喫煙していると、がんの痛みが強くなりやすいのです。
喫煙とがん患者の痛みとの関連性
がんの痛みってどんなものがあるのって思いますか?
がんによる痛みは幾つかます。
- がんそのものによる痛み
- がんの治療に伴う痛み
- がんやがんの治療と直接関係のない痛み
があります。
2には、手術、放射線治療、化学療法などによる痛みが、3には、二次的に生じた廃用症候群による痛み、新たに合併した帯状疱疹後神経痛、もともとある腰痛や関連痛などが含まれます。
治療にも痛みが伴うのは苦痛ですよね。
なるべくがんになりたくないものです。
また、それぞれの痛みについて喫煙者と非喫煙者を比較した研究が行われています。
こういう研究、どんなふうに思いつくんでしょうね、不思議です。
喫煙を続けているとどうなるの?
早期に診断された非小細胞がん患者が喫煙を継続した場合、禁煙した者と比べて、性、年齢、術式や放射線治療の有無などを調整したとしても、
死亡率が約3倍、再発率が約2倍増加することが示されています。
また、がんと診断された後に禁煙することで、患者のQOL(生活の質)が喫煙を継続した場合よりも高くなることが報告されています。
かかってしまったからって、禁煙を諦めないほうがいいですね。
いかがでしょうか。
これだけみても、がんにかかってからでも禁煙するのは遅くないって思いませんか?
次回はもう少し細かく喫煙とがんと痛みについてみていこうと思います。
参考文献
1)杉山陽子,飯田宏樹:喫煙とがん患者の痛み.日本ペインクリニック学会誌,2019,26:p1~7.
2)谷口千枝:喫煙と痛み―がん関連痛を中心にー.日本ペインクリニック学会誌,2018,25(2):p63~68.