予防のススメ

健康や疾病予防に関する情報や、趣味の読書で得た知識などをまとめています。

タバコってどんな害があるの?

 タバコは有害。

 それは知っていても、具体的に何がどのように作用しているのかを知っていますか?

 僕も詳しくは知らないので簡単にまとめてみました。

 一緒に学んでいきましょう。

 ※簡単にまとめているため、ググったほうがわかるかもしれません(笑)

 

目次

 

タバコには何が含まれてるの?

 タバコ煙には約4000種類の化学物質が同定され、40種類以上の発癌性物質や多くの発癌プロモーターが存在するといわれています。

 これだけ聞いても害でしかないと思いますね。

 発癌プロモーターも中々聞かない言葉ですよね。僕も初めて聞きました。勉強不足です。

 化学発癌(ヒトの癌の80%以上は食品を含めた環境中の化学物質に起因している)の機構は、イニシエーションとプロモーションという、異なる過程からなるそうです。

  • イニシエーション:最初の発癌物質塗付段階
  • プロモーション :続く炎症性物質塗付段階

 そのうち、イニシエーションで作用する化合物がイニシエーター

      プロモーションで作用する化合物がプロモーターと言います。

 それぞれの働きとして

  • イニシエーター:遺伝的な障害を起こし、細胞を潜在的に腫瘍細胞に変化させる
  • プロモーター:腫瘍細胞へと変化させる

 ちょっとはしょって簡単にまとめさせていただきました。

 こうみると、イニシエーターが存在していないなら、プロモーターがあっても大丈夫ではないかって思うかもしれませんが(タバコにプロモーターしかないのか調べ不足なだけかもしれませんが(-_-;) )環境中のプロモーターが実際にヒトの癌に直接関与している可能性も示されている報告もあります。

 なので、プロモーターしかあろうとなかろうと、安心はできませんね。

 

三大有害成分

 タバコに有害成分が含まれているのは上記で説明しました。

 ここでは、有名な3つの有害成分を紹介します。

1. ニコチン

  ニコチンには、交感神経系を刺激する作用があります。

 交感神経が刺激されることで、

  • 末梢血管の収縮
  • 血圧上昇
  • 心拍数増加

が起こります。

 運動してすぐ苦しくなるのはこれらが原因ですね。

 また、ニコチンには依存作用もあります。ニコチン依存症なんて聞いたことはあるでしょうか?

 ニコチンには精神依存に加え、身体依存も存在します。

 

 ドーパミンは快楽によって放出されます。

 そして、ニコチンにはドーパミンの放出を促進し、快感や報酬感を増強させます。

 さらにニコチンは、ドーパミンのみならず脳内の多くの神経伝達物質の分泌を通して、脳の覚醒や思考、記憶、情動といった機能にも関わっています。

 また、ニコチンについてまとめたものでは

  1. ニコチンの使用を中止することの困難性は、アルコールやヘロイン、コカインと同等であり、自力で禁煙した場合、約3分の2の喫煙者が禁煙3日以内に喫煙を再開うこと
  2. 身体依存性の証拠となる耐性の強さにおいて、ニコチンはアルコールやヘロインと同等であり、コカインより強いこと
  3. 身体依存性を示すもう一つの証拠である離脱症状の強さはアルコールやヘロインより弱いものの、コカインよりは強い

と結論づけています。普通に売られているタバコですがこうしてみると依存作用がとても強いですね。

 やめられないわけです。

 ちなみに、ニコチンは依存性薬物の中で、依存症の人数や超過死亡数が最も多いといわれており、青酸カリに匹敵する毒物ともいわれています。

 

2. タール

 タールはタバコ煙からニコチンと水分を除いた微粒子の濃縮物であり、多数の発癌物質が含まれています。

 以上です(笑)

※タールを詳細に書いている文献が見つけられませんでした。見つけ次第加筆・修正させていただきますorz

 

3. 一酸化炭素

  一酸化炭素はCOと書きますね。二酸化炭素CO2より酸素が欠乏しているものです。

 一酸化炭素の作用として、血液中のヘモグロビンと強固に結合して慢性の酸素欠乏状態を作り出します。

 ヘモグロビンは体内で酸素と結合し、組織に酸素を送り届けます。その酸素が結合されないということですから、酸欠状態になるのは明らかですよね。

 また、コレステロールの変性を促進し、血管内皮を傷害します。そしてHDLコレステロールを減少させ、動脈硬化を促進させます。

 動脈硬化は高血圧ならびに脳血管疾患や循環器疾患の発症要因でもあります。

 

 ここででてきたHDLコレステロールですが、コレステロールにも種類があります。

 上記にあるHDLとLDLです。

 HDLは多いほうがいいのですが、LDLは少ないほうがいいコレステロールです。

 後ほどブログで紹介できればと思います。

 

  タバコは万病ともいいますが、まさにといった感じですね。

 百害あって一利なし。皆さん、禁煙しましょう。

 

参考文献

1)中村博幸,大石修司,他:内科-100年のあゆみ(呼吸器) Ⅰ. 呼吸器領域の100年 12. 喫煙と肺疾患.日本内科学会雑誌,2002,91(6):p62~67.

2)小清水弘一:発癌プロモーターteleocidin類の化学-緒論.日本農芸化学会誌,1987,61(7):p823~825.

3)高橋裕子:第9回禁煙推進セミナー 禁煙治療の現状と発展 1. 禁煙治療の現状と今後の展望. 日本循環器学会専門医誌,2010,18(3):p343~347.

4)中村正和:慢性閉塞性呼吸器疾患(COPD):診断と治療の進歩 Ⅲ. 治療の進歩 8. 予防としての禁煙. 日本内科学会雑誌,2008,97(6):p103~113.

5)川根博司:喫煙者にみる健康障害と効果的な禁煙指導.日本人間ドック学会誌,1998,12(4):p53~57.